日本にはあまたの夜景地(夜景鑑賞地)が存在し、それらの情報は、あらゆるメディアかで見られるようになりました。現在では、書店で売られる情報誌だけでなく、インターネットを通しても多々の情報が紹介されています。夜景情報サイトは無数に存在しており、その数も膨大です。10数年前は、たった1冊のみの夜景ガイドが存在するといった状況だった訳ですから、驚くほどの進展です。
情報量にこだわったサイト、夜景に対して特別な思い入れがあるサイト、夜景の写真に徹底的にこだわったサイトなど内容もさまざまですが、どのサイトも趣味の延長線上として個別に運営されているため、共通の明確な基準は存在していません。といって、美しさの共通認識を計ろうとするのではありません。必要なのは、安全性の基準です。それをクリアした、夜景地情報であることが、何よりも求められているわけなのです。ネットは影響力が強い分、この共通認識を設けたいものです。
夜景に対して興味を抱くことはとても良い面もありますが、その反面で夜景鑑賞する方々の鑑賞マナーの問題もあります。立ち入り禁止区域に入って鑑賞する人、大声で騒ぎながら楽しもうとする人、ゴミを残して帰る人、煙草を火のついたまま投げ捨てる人…。実に嘆かわしいことですが、これらの行為の数々により、実際、多くの良質の夜景地が失われつつあることも事実なのです。「多くの人の亡くなった土地をいつまでも忘れず、その歴史、痛みを人々の記憶に残そうと、慰安のためにライトアップを開始しました。思惑通り大勢の人々がこの地にやってきます。しかし鑑賞マナーを守らない人々によって、近隣の住民のみなさんから、お叱りを受ける場合もあるんです」。「展望台の風紀のためにゴミ箱をあえて設置していないのですが、ゴミを持ち帰らず汚くなるばかりです。いよいよ、週末は展望台への道路を閉鎖することを決断しました」。
このままでは、日本中から夜景を楽しめる場所が失われてゆくのでは、と大きな危機感を感じています。 |