夜景遺産認定地
こくらじょうたけあかり
小倉城竹あかり地元の職人やボランティアの手によって様々な形や模様が彫り込まれた竹灯籠を作り、城の周辺に3万個を設置。柔らかな灯火で小倉城一帯を包み込む演出だ。灯火が竹の隙間から漏れ、地面や周囲の壁に美しい影を映し出すことで、情緒あふれながらも静謐で荘厳な雰囲気を演出している。
細川忠興が築城した北九州市のシンボル・小倉城を舞台に、毎年10月下旬から11月上旬に開催されるライトアップイベント。北九州市は日本有数の竹林面積を誇り、高級筍「合馬たけのこ」の生産量の多さが広く知られている。その一方で長年、放置竹林問題も深刻化していた。そのような中、竹林被害のある山林の竹を積極的に伐採して利用し、竹林の管理や保全にも貢献できるイベントとして2019年に誕生したイベントが「小倉城竹あかり」である。地元の職人やボランティアの手によって様々な形や模様が彫り込まれた竹灯籠を作り、城の周辺に3万個を設置。柔らかな灯火で小倉城一帯を包み込む演出だ。灯火が竹の隙間から漏れ、地面や周囲の壁に美しい影を映し出すことで、情緒あふれながらも静謐で荘厳な雰囲気を演出している。鑑賞ポイントのひとつである天守閣は、城下町・小倉の街明かりと竹あかり見事に調和。多くの観光客がその光景を求めて天守閣に訪れている。灯籠に使用される竹あかりを作るワークショップや、地元の歴史や文化を学ぶ講座等も開催され、次世代へと受け継がれるべき大切な文化遺産を再認識する機会となっている。イベント期間中は、地元のアーティストによる音楽ライブやパフォーマンスも実施。視覚と聴覚を通じて楽しめる総合的な文化体験としても機能しているのだ。従来の観光イベントに留まらず、地域の歴史と文化を体感し、未来へとつなげる重要な役割を果たす同イベントは、訪れる人々に深い感動を与える、九州の秋冬の風物詩として本ブランドに認定された。