夜景遺産認定地
キンタイキョウ
錦帯橋世界中のどこにも例がない5連の木組アーチ構造の橋で、その力学的構造と工芸的美しさは創建以来350年間、研究者による土木技術の賜物と称されている。現在はその魅力を夜間も存分に楽しんでもらえるよう、毎年期間限定でライトアップを実施している。
山口県岩国市の錦川にかかる世界最長の木造アーチ橋。東京都・日本橋、長崎県・眼鏡橋と並ぶ「日本三名橋」として有名な観光名所である。江戸時代、岩国城があった横山と城下町を結ぶことを目的に橋が架けられたが、出水で幾度となく流失。1673年に「流されない橋を作りたい」との願いから、当時の知恵と技術を結集して錦帯橋が創建された。その後も消失や再建、研究が繰り返され、2001年の「平成の架替」を経て現在の姿に至る。5連の木組アーチ構造としては世界中のどこにも例がなく、その力学的構造と工芸的美しさは創建以来350年間、研究者による土木技術の賜物と称されている。現在はその魅力を夜間も存分に楽しんでもらえるよう、毎年期間限定でライトアップを実施。橋脚は荘厳に輝き、連綿と続いてきた歴史を際立たせるような重厚感を放つ。その一方で、湾曲する木造の橋桁が川面に反射して黄金色に水面が染まる光景も加わり、全体として色彩のコントラストが見事に際立っている。季節によって異なる景観も観光的魅力のひとつで、春の夜桜ライトアップや夏の花火との競演、400年の伝統を持つ鵜飼と共に遊覧船から愛でる橋梁の姿も趣深い。なお、橋は容姿を眺めるだけではなく夜間通行も可能で、橋上からは河川敷に煌めく夜景や岩国城のライトアップが鑑賞できる。夜景観光士の投票も多く集め、後世へと伝えるべき夜景名所として新たな日本夜景遺産に認定された。