夜景遺産認定地
どやたなだのひまつり
土谷棚田の火祭り佐賀県伊万里市から長さ225mの福島大橋を渡り、伊万里湾の玄海国定公園に浮かぶ東西6km、南北7.3kmに及ぶ島に位置する長崎県松浦市福島町。長崎県に属してはいるが、島の東側の対岸は佐賀県伊万里市である。島の入口に「つばきの島」とあり、島の周囲の海上には「いろは島」と呼ばれる大小48個の島々が浮かび、美しい景観を形成している。
佐賀県伊万里市から長さ225mの福島大橋を渡り、伊万里湾の玄海国定公園に浮かぶ東西6km、南北7.3kmに及ぶ島に位置する長崎県松浦市福島町。長崎県に属してはいるが、島の東側の対岸は佐賀県伊万里市である。島の入口に「つばきの島」とあり、島の周囲の海上には「いろは島」と呼ばれる大小48個の島々が浮かび、美しい景観を形成している。福島町の西側に「日本の棚田百選」の一つである土谷の棚田があり、約400枚の田んぼが海岸線に続く。海岸から標高120mの高さまで、平均傾斜角15度で競り上がる棚田は、浮かぶ島影や行き交い船、沈む夕陽が存分に鑑賞できる。日本の棚田百選の中でも指折りの棚田と言われ、認定を受けると多くの観光客が訪れ地域の活性化に一役買った。しかし、同時に観光客が残すごみの問題など自然への悪影響が懸念された。そこで2003年、土谷地区の住民が美しい景観を保全し、棚田の美と農家の心を発信していくことを目的として7haの棚田のあぜ道に手製の松明2,000本の灯りをともした。これが全国各地で行われている棚田火祭りの元祖である。夕闇に約200枚の棚田が幻想的に浮かび上がる風景に、九州・山口など各地の写真愛好家ら約2千人もの観光客が訪れるようになったが、地区住民だけでは事前準備や警備など負担が大きく、08年を最後に中断していた。2012年、棚田地権者の了承を得た上で松浦市福島町のふくしまおいどんが町づくり会によってペットボトル内にろうそくを立てた灯籠作りなど計画を進め、4年ぶりに復活を果たした。2018年には、約2,700本もの灯篭に火が灯され棚田の幻想的な風景が浮かびあがった。