夜景遺産認定地
ぎんざんおんせん
銀山温泉山形県尾花沢市の温泉街で、大正末期から昭和初期に建てられた旅館が銀山川の両岸に沿って軒を並べる。温泉地の名称は大銀山として栄えた「延沢銀山」から名付けられた。温泉街からほど近い場所には当時の遺跡が残り、現在では観光名所に。
山形県尾花沢市の温泉街で、大正末期から昭和初期に建てられた旅館が銀山川の両岸に沿って軒を並べる。温泉地の名称は大銀山として栄えた「延沢銀山」から名付けられた。金沢の儀賀市郎左衛門が1456年(康正2年)に銀山を発見し、1631年(寛永8、9年頃)に最盛期を迎えたがのちに廃山。1741年(寛保年間)以降は温泉地として盛んになった。温泉街からほど近い場所には当時の遺跡が残り、現在では観光名所に。尾花沢市では「風情のある旅館を保存し観光復興に生かすこと」を目的として、1986年に「銀山温泉家並保存条例」を制定。その後、NHK連続テレビ小説「おしん」の舞台となり一躍脚光を浴び、全国的にも有名に。温泉宿に加え湯治場であった頃の懐かしさを感じられる「しろがね湯」「かじか湯」「おもかげ湯」の3種類の共同浴場が点在。源泉掛け流しの足湯「和楽足湯(わらしゆ)」もある。温泉街からは散策道が春〜秋にかけて開通。 清々しい空気と水しぶきが魅力の「白銀の滝」や、廃山後に廃坑洞となった「銀鉱洞」。山の緑に囲まれた「せとこい橋」や石橋「河鹿橋」からも歴史を感じる。ガス灯を中心とした温泉街の夜景は、電灯にはないノスタルジックな雰囲気を醸し出す。旅館が灯すオレンジ色の照明は、建物や街並をやわらかに映し出し、ガス灯とともに銀山川の流れに反射する姿が見事。3層から4層の洋風木 造構造の旅館が古き良き時代の湯の街を思わせ、石畳の続く川沿いに夜の賑わいをみせる。各旅館では川側の部屋が用意されていることから、プライベート空間のなか銀山温泉の夜景を楽しむことも可能。山ではライトアップも実施されており、一部の宿では 入浴しながら鑑賞もできる。特筆すべきは、冬の時期。降り積もる雪によって作り出される銀世界と大正ロマンを感じさせるガス灯、昔の面影が残る温泉街が見事にマッチングし、冬の中にも温かさを感じさせてくれる。